夜の柴原駅にて

年末、関西に帰省していた。

 

緊急事態が重なって、夜の21時ごろ私は息子と大阪モノレール柴原駅にいた。

 

タクシーで帰りたくともロータリーには一台も停まっておらず、駅員さんすらいない真っ暗な駅だった。

そばに大きな病院があるので、きっと面会時間内には人々やタクシーが行き交っている事であろう。

 

スマホで某タクシー会社の配車に電話したら

「金曜日の夜なので、到着には10分くらいかかる」と言われた。それでも待つしかない。

 

10分後、配車係から電話があった。

「乗務員が少路駅に着いたと言っていますが、ロータリーのどこにおられますか?」

 

あぁ、とてつもなく大失敗した。隣の駅を伝えてしまった。

配車係は無理でしょと言わんばかりに、諦めるよう促された。それでも、帰るにはお願いするしかなかった。

後悔とその日の大寒波に、辛くて寒くて涙が出そうだった。

息子と2人で抱き合って待っていた。

 

15分後、タクシーが来た。

運転手さん怒ってるだろうな…としょんぼり入ったら「寒かったね、遅くなってごめんね〜」と暖房をMAXにしてくれた。メーターには迎車代だけ表示されていた。

道中は山手台の凍った道路の話をしてくれたり、心からやさしい運転手さんだった。

 

救われるというのはこういう気分だったんだなぁ。

最近わりと慎重に生きていたから忘れていたなぁ。

暖かくなってきた車内でぼんやりと考えていた。